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もめないためのアドバイスがほしい
「相続の生前対策」と聞くと、どんなイメージを持たれますか?
「相続の生前対策なんて、不動産を持っているような裕福な人たちの話で、自分には関係ない」と思う方も多いかも知れませんが、それは違います。「相続の生前対策」は、一部の裕福な人たちのためのものではなく、すべての高齢者の方に必要です。
では、自分に万一のことが起こったときに周囲の人たちが困らないよう、まず最初にすべきことは何でしょうか。それは、現時点での自分の財産をすべてリストアップし、誰の目にも分かりやすいよう整理しておくことです。まず、自分の財産にはどんなものがあるが、すべて書き出してみましょう。この場合、財産だけでなく、借金などマイナスの財産も書き出しておきましょう。一覧表のようなもの(財産目録)を作っておくと分かりやすくてよいでしょう。そして、財産に関係する重要な書類(不動産の権利証、賃貸契約書、実印、通帳、保険証券、年金手帳、借入金の契約書など)や財産目録の保管場所は、あらかじめ信頼できる人に教えておくか、または遺言書に書いておくとよいでしょう。
財産目録ができたら、今度は、それぞれの財産を誰にどう分けたいのかを考えてみましょう。その場合、あなたが望む財産の分け方で後に残された人たちが困らないかどうか、相続人同士がもめる可能性はないのかをよく考えましょう。
「相続の生前対策」の目的は、
@後に残された人たちが困らないようにすること。
A分割しにくく、評価も難しい財産(典型的なものは不動産や株式です)は、早めに対策を立てること。
B生前対策を実行するに当たっては、遺留分を侵害しないよう注意すること。これが重要です。
「相続の生前対策」は、生前にできるだけ関係者の了解を得て、その結果を書面にしておくことが大切です。